2013年11月06日

性風俗とシングルマザー

シノドス
【母親を子宮に沈める社会 ――大阪二児遺棄事件をもう一度考えるために
映画『子宮に沈める』 緒方貴臣×角間惇一郎】


女子SPA!
【女性たちを縛る“母性”に疑問 <「大阪二児置き去り死事件」から生まれた物語>】


でも対談させてもらっていますが、11/9映画【子宮に沈める】が公開されます。

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パンフレット用に作成した文章があったのですが、
残念ながらお蔵入りになってしまったので、せっかくなのでブログに書いておきます。




❙性風俗とシングルマザー

『夜の世界の仕事』という言葉ほど、個人毎の認識が多様な言葉はないだろう。
しばしばひとくくりにされがちであるが、
大きく“性風俗産業”と“水商売”に大別することができる。

性風俗産業は水商売と比較し、勤務可能時間帯が早朝から深夜までと幅広く設定されている。
さらに現金の獲得方法が、歩合で日払いであり、出勤管理にも柔軟性があるため、
急な子供の体調不良や、行事への参加などがあったとしても休みが取りやすく、
お金になる労働だけではなく、
家事労働までも1人で負担しなければならないシングルマザーにとって、
子育てとのバランスを考慮しつつ働くことが出来る都合の良さがある。
その結果、性風俗産業に係る女性の増加が顕著に確認できている。

このように、性風俗産業に組み込まれている“しくみそのものにある引力”と、
シングルマザーを受け入れることが出来ない“社会からの斥力”が両輪となり、
現実、夜の世界がしんどさを抱えた女性の受け皿となっているわけだ。

しかしその受け皿は『一時的な』という条件付きの受け皿に過ぎない。
長期間働き続けることが年齢や体力的な理由から困難だという課題はつねについて回る。

元々抱えていた、母子家庭だという現実に加え、
性風俗産業に関わっていることによる二重のスティグマを抱え、
社会との接点が希薄になっている女性達にとっては性風俗後を考えること、
デザイン的に解決を目指すことは現用では困難な道のりとなっている。

もはや、性風俗の世界に関わらせないようにするしくみの設計を急ぐよりも、
性風俗に関わっている(いた)としても社会側から排斥するのではなく、
対等な立場で手を差し伸べる取り組みの設計のほうが現実的ではないだろうか。
 
シングルマザーと夜の世界との関係性を覗き見ることで、
本当に必要な支援のしくみを作ることの必要性を我々に気がつかせてくれている。

<参考資料>
竹信三恵子『家事労働ハラスメント−生きづらさの根にあるもの』岩波新書
荻上チキ『彼女たちの売春−社会からの斥力、出会い系の引力』扶桑社
鈴木大介『出会い系のシングルマザーたち−欲望と貧困のはざまで』朝日新聞出版
アジア女性資料センター『女たちの21 世紀No.72』







posted by GAP at 10:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | from 事務局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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